Notionの「AIミーティングノート」を試したものの、日本語の文字起こし精度や話者分離(誰が話したか)が物足りないと感じた個人事業主・フリーランスの方へ。本記事では、無料でどこまで使えるかを軸に、目的別のおすすめを比較しました。録音から要約までを丸ごと自動化してくれる専用ツールだけを、2026年8月時点の情報でまとめています。
Notion AIの基本的な使い方は「Notion×AIでミーティングノートが変わる!効率的な使い方と自動化術」で解説しています。本記事はそれでも物足りなかった人向けに、専用の文字起こしツールを比較していきます。
Notionの「AIミーティングノート」だけでは物足りない理由
Notionの議事録機能は「Notion上でメモを取りながらAIに整形してもらう」タイプの機能で、そもそも録音ファイルを丸ごと自動で文字起こし・話者分離する専用設計ではありません。個人事業主の実務に当てはめて機能を見てみると、次の2点で壁にぶつかりやすいことが分かります。
日本語の文字起こし精度がツール専業には及ばない
Notionは英語圏発の汎用ツールがベースなので、専門用語や早口の日本語では変換ミスが起きやすいと言われています。「文字起こし専業」として日本語モデルをチューニングしているツールと比べると、精度面で見劣りするケースが多いようです。
「誰が何を話したか」の話者分離が弱い
クライアントとの商談やヒアリングでは「先方が言ったこと」と「自分が言ったこと」を区別できないと議事録として使いものになりません。ここが専用ツールとの一番の違いです。
なお当サイトの別記事「ChatGPTで業務効率が3倍に?今日から使える時短テク10選」では、文字起こしテキストをChatGPTに貼り付けて要約する手動ワークフローを紹介していますが、今回はその「貼り付け作業」自体を省略できる、録音→文字起こし→話者分離→要約が一気通貫のツールに絞って比較します。
この記事でのツール選定基準
比較にあたっては、フリーランスが実際に月額課金するかどうかを判断できるよう、次の5軸で見ています。
- 料金・無料枠:無料でどこまで使えるか、有料化した場合の最安ラインはいくらか
- 日本語精度:業種を問わず使える実用レベルかどうか
- 話者分離:追加設定なしで自動で話者を分けてくれるか
- セキュリティ:企業のクライアント案件で使っても問題ない設計か(詳細は各社の公式規約要確認)
- 導入のしやすさ:アプリのインストールやBot参加設定の手間
フリーランス・個人事業主向けAI議事録・文字起こしツール比較5選
Notta ― とにかく手軽に始めたい人向け
無料の「フリー」プランは月120分まで、ただし1回の録音・アップロードにつき3分までという制限があります。あわせてファイルインポートは月50個、AI要約は月10回までです。短い打ち合わせメモの確認には十分ですが、1時間の商談をまるごと記録するには無料枠では厳しめです。有料の「プレミアム」プランは年間プランで月1,185円(税込・12ヶ月分一括で総額14,220円)となり、文字起こしは月1,800分、1回あたり5時間まで、AI要約も月100回まで使えるようになります。(いずれも2026年8月時点の公式料金ページの記載)
tl;dv ― Zoom・Google Meet商談が多い人向け
海外発のツールで、オンライン商談にBotとして自動参加し、録画と同時に文字起こしまでやってくれる点が最大の強みです。「無料でずっと使える(Free forever)」を打ち出しており、録画と文字起こし自体はかなり寛容な設計ですが、AIノート(要約)の生成回数やファイルアップロード回数には上限があります。ここは公式サイト上でも表記が変わりやすいため、本記事では具体的な数値を載せません。契約前に必ず公式の料金ページで最新の無料枠を確認してください。有料プランは米ドル建てで、為替によって日本円での負担額が変わる点も、円で家計管理しているフリーランスには地味に効いてきます。
toruno(リコー) ― 無料でも話者分離が使えるのが強み
リコーが提供する国産ツール。個人向けの「torunoパーソナル」は、無料枠が「累計3時間」という設計で、Nottaのように毎月リセットされるわけではない点に要注意です(使い切ったら有料化が必要)。有料プランは月額基本料金1,650円(税込)で月10時間まで、超過分は1分あたり2.2円という従量課金になります。無料プランから自動的に有料プランに切り替わることはない、と公式に明記されているのも安心材料です。
そして特筆すべきが話者識別(話者分離)機能。公式ヘルプセンターによれば、この機能は個人・法人プランを問わず、無料で使っているユーザーも含めた全員が利用できます。事前準備なしで発言者をSpeaker1、Speaker2と自動で振り分けてくれるので、「無料でもいいから話者分離だけは欲しい」という人に一番刺さる選択肢です。
ただし1点だけ、契約前に必ず確認してほしい落とし穴があります。リアルタイム記録に使うtorunoのデスクトップアプリはWindows専用で、Mac版が提供されていません。MacBookで仕事をしているフリーランスの場合、iPhoneアプリで録音してからアップロードする(ただしWeb会議の録音は不可)か、録音済みの音声・動画ファイルをWebからアップロードする使い方になります。「Macだからそもそも本命の使い方ができなかった」という取り違えが起きやすいので、ここは要チェックです。
Rimo Voice ― 精度と話者分離を最優先したい人向け
日本語の精度とセキュリティ(ISO27001・ISO27017認証取得、データは国内保管、AI学習なし)を前面に出した国産ツールです。継続利用できる無料プランはなく、無料トライアルのみという位置づけ。公式の料金表に載っている個人向けは「プロプラン」月4,950円(税込)で、Botによる無制限録画・文字起こし時間無制限・AI要約・話者分離が含まれます。チームプランは月6,600円(税込)です。
なお、要約などを省いて文字起こしだけを使う「文字起こしプラン」も別途用意されていますが、こちらの金額は公式の料金表に併記されていないため、本記事では金額を載せません(申し込みページで確認してください)。他社の1,000円台と比べると本命のプロプランは一段高い価格帯なので、「安さより精度とセキュリティを優先したい」「クライアントに説明できる認証を持ったツールを使いたい」という人向けの選択肢です。
Googleドキュメントの音声入力 ― コストゼロを最優先する人向け
完全無料でGoogleアカウントさえあれば今すぐ使えます。ただし注意点として、これは「マイクに向かって話した内容をリアルタイムでテキスト化する」機能であり、録音済みの音声ファイルを自動でアップロードして文字起こしする機能ではありません。過去の録音を文字起こししたい場合は、PCで音源を再生しながらマイク入力させるといった工夫が必要になりますし、話者分離機能も備えていません。「1人で話すメモ書き」用途に限定すれば十分実用的です。
比較早見表
| ツール | 無料プラン | 個人向け有料プラン | 話者分離 | 対応環境で注意する点 |
|---|---|---|---|---|
| Notta | 月120分・1回3分まで(AI要約は月10回) | プレミアム 年間プランで月1,185円(税込・月1,800分) | 有料プラン中心 | Web版・アプリ・Chrome拡張あり |
| tl;dv | 「Free forever」あり(AIノート・アップロード回数に上限。公式で要確認) | 米ドル建て(公式で要確認) | 上位プラン中心 | Web会議へのBot参加が前提 |
| toruno パーソナル | 累計3時間(月次リセットなし) | 月1,650円(税込・月10時間、超過2.2円/分) | 無料も含め全ユーザー対応 | デスクトップアプリはWindowsのみ |
| Rimo Voice | 継続無料プランなし(無料トライアルのみ) | プロプラン 月4,950円(税込・文字起こし無制限) | 対応 | ISO27001/27017取得・国内保管 |
| Googleドキュメント音声入力 | 完全無料 | ー | なし | 録音ファイル非対応(リアルタイム入力のみ) |
シーン別のおすすめ
- 単発の打ち合わせを1回だけ記録したい:toruno パーソナル(無料でも話者分離あり)。Windowsを使っていない場合は、Nottaの無料プラン(3分以内のメモなら)。
- 週次定例ミーティングを継続的に記録したい:月1,650円のtoruno パーソナル、またはWindows以外なら年間プランで月1,185円のNottaプレミアム。毎週使うなら、無料枠の残量を気にしなくていい有料プランの方が結果的に手間が少ないです。
- Zoom・Google Meetでのオンライン商談が多い:tl;dv。Botが自動参加して録画してくれるので、うっかり録音を忘れるミスを防げます。
- クライアントの機密情報を扱う案件が多い:Rimo Voice。月4,950円と一段高い代わりに、ISO27001・ISO27017認証やデータの国内保管、AI学習なしといった条件を、クライアントに説明できる形で示せます。
- とにかくコストをかけたくない単発メモ:Googleドキュメント音声入力。ただし話者分離なし・録音ファイル非対応という制約は理解した上で使いましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. Notionの議事録機能はもう使えないの?
使えますが、あくまで「メモを整形する」用途向きです。録音→自動文字起こし→話者分離まで一気通貫でやりたいなら、今回紹介したような専用ツールの方が向いています。
Q. 無料版だけで議事録運用は成立しますか?
月数回程度の単発利用なら成立しますが、週次で継続利用するなら無料枠の上限(分数・回数・累計時間)にすぐ当たる設計のツールが多いです。運用頻度が上がったら有料化を検討しましょう。
Q. 昔よく紹介されていたCLOVA Noteはもう使えないんですか?
無料の定番として知られていたCLOVA Noteは2025年7月31日にサービスを終了しました。後継にあたる「LINE WORKS AiNote」に移行していますが、プラン構成や料金は当時とは別物になっています(具体的な金額は公式サイトで確認してください)。2025年に書かれた比較記事のままCLOVA Noteを「無料の鉄板」として勧めているサイトがまだ多く残っているので、乗り換え先を探すときは必ず記事の更新日を見て、2026年時点の情報かどうかを確かめるのがおすすめです。
Q. クライアントの機密情報を扱っても大丈夫?
ツールごとにデータの取り扱い・保存期間・学習利用の可否が異なります。契約前に必ず各社の公式サイトでプライバシーポリシーとセキュリティに関する記載を確認しましょう。
まとめ
Notionの議事録機能は手軽な反面、日本語精度と話者分離では専用ツールに一歩譲ります。無料でとにかく話者分離まで試したいならtoruno パーソナル(ただしデスクトップアプリはWindowsのみ)、Macで手軽に始めるならNotta、オンライン商談中心ならtl;dv、機密性の高い案件が多いならRimo Voice、コストゼロを最優先するならGoogleドキュメント音声入力と、用途によって最適解は変わります。まずは無料枠のあるツールから試して、使う頻度が上がってきたタイミングで月1,000〜2,000円台の有料プランに切り替えるのが、フリーランスにとって一番失敗しにくい選び方です。なお、この手のサブスクは価格改定が頻繁なので、申し込む直前に公式サイトで最新の金額を確認する習慣をつけておくと安心です。ツール選びの考え方そのものに迷ったら「【2025年最新】AIツール比較|無料vs有料で20代が課金する」もあわせてチェックしてみてください。