起業

【ひとり法人1年目】実際にかかった費用を大公開|デジタルマーケティング企業の現実

こんにちは。先日で創業1年目を迎えましたデジタルマーケティング・SNS運用企業の代表です。

起業を考えている方から「実際、どのくらい費用がかかるんですか?」という質問を何度も受けてきました。インターネット上には「月5万円で起業できる!」という記事がある一方、「年間500万円必要」という話もあり、情報がまちまちで判断しづらいですよね。

そこで今回は、1年間で実際に支払った費用を、公開します。 起業を検討している方や、これから会社を立ち上げようとしている方の参考になればと思います。


01. 私たちのビジネスについて

まず簡単に、私たちが何をしているのかをご説明します。

事業内容:デジタルマーケティング・SNS運用代行

クライアント企業のSNS戦略立案、コンテンツ制作、アカウント運用をトータルでサポートしています。スタートアップから中堅企業まで、幅広いクライアントと取り組んでいます。

なぜこのビジネスを選んだのか

  • 初期投資が比較的少ない(物理的な在庫やオフィスが不要)
  • スキルベースのサービスなので、業務委託パートナーとスケール可能
  • 自社のSNS運用を実績として活用できる

創業時は私1人で始まりました。そして同時に、クライアント業務を一緒に担当してくれる業務委託パートナー数名に助けていただいてます。法人自体は1人法人のまま、複数の業務委託パートナーと一緒に、クライアント企業のデジタル化を支援する体制を取っています。


02. 1年間の支出全体像(総額公開)

まずは、全体像をお見せします。

ツール等利用費(メンバー数に応じて一部変動)

  • 月30,000円程度(Slack、Notion、ドメイン関連)

そのほかに

年間大型支出

  • 税理士・会計サポート費用
  • 業務委託・外注費用
  • 機材購入費
  • カフェなどの会議費

年間総支出概算

細かい計算をすると、月額固定費だけで年間約33万円弱。これに加えて、税理士費用や外注費が加わります。

「思ったより安い」と感じるか「思ったより高い」と感じるかは、ビジネスモデルや規模によって異なると思いますが、この金額で複数クライアントをサポートし、チーム体制を構築できたという点が重要です。

03. 月額固定費の内訳

それでは、月々必ず支払っている費用を一つひとつ見ていきましょう。

PC分割購入費 MacBook Air(月額3,783円 / 36回払い)

用途: 連絡用、動画編集 すべて(笑)

私の仕事は基本的には全部PCがあれば成立するので一番初めに買いました。一度に大きな金額が出ていくのが痛いので、3年間の分割払いで支払ってます。

動画編集に関してもMacBookのM4チップが入っているモデルなので簡単なショート動画であれば問題なく編集できます。

購入価格: 約136,000円(36回分割)

機種: 2025 Apple M4 Macbook Air 13インチ メモリ16GB

Canva(月額1,073円)

用途: クライアント用のデザイン素材作成、SNS投稿画像制作

Canvaのプロプランを利用しています。テンプレートが豊富で、デザイン知識がなくてもプロっぽいビジュアルが作成できるため、SNS運用には欠かせません。

選んだ理由

  • ブランド素材の一元管理ができる
  • チームメンバーもアクセス可能
  • コストパフォーマンスが優秀

AI利用費Claude(月額2,800円程度 / 20USD)

用途:コンテンツ企画の効率化、リサーチ、勘定項目の質問

色々AIツールはありますが私はずっとClaudeを使っています。ChatGPTよりは精度が高くClaude Coworkだとメールの文面をチェックしてくれて返信の文面を下書きで残しておいてくれます。

このAI利用費は1年前は存在しませんでしたが、2026年のSNS運用では欠かせない存在になってしまいました。

具体的な使い道

  • SNS投稿文案の作成・推敲
  • 競合分析レポートの作成
  • クライアント提案資料の骨子作成

AI時代になって、マーケティング業界の業務スピードが劇的に変わったなと感じます。

携帯通信費(月額8,000円)

用途: スマートフォン1台分の通信費

  • メイン業務用スマートフォン
  • ビジネスフォン(クライアント対応)

SNS運用企業にとって、スマートフォンは最重要ツール。複数端末の運用は避けられません。

交通費(月額1万円以内)

用途: 打ち合わせ、現場への移動費、外出時の移動費

東京都内での移動が多いため、月1万円を予算としています。リモート打ち合わせが増えたおかげで、実際には月5,000~8,000円で済むことがほとんどです。

Freee利用費(月額5,280円)

用途: 会計・請求書管理・帳簿作成

法人化したら、会計ツールは必須です。Freeeは初心者でも使いやすく、自動仕訳機能も優秀。

一人法人プランで経理さんのアカウントと2アカウントで契約をしています。

メリット

  • 銀行口座との連携が自動
  • 見積書、請求書が簡単に作成できる
  • 税理士との連携がスムーズ

Notion利用費(月額6,000円)

用途: 社内ドキュメント・プロジェクト管理・クライアント情報管理

Notionはいわば「デジタル社員手帳」。クライアント情報、運用ガイドラインなど、Todo リスト、今年3月くらいからAI文字起こしでMTGノートも撮ってもらうようになりました。

チーム全体で使うため、有料版が必須

  • 複数メンバーのアクセス管理
  • API連携でツール間の自動化
  • 無制限の容量

ムームードメイン / Google Workspace(月額1,300円)

用途: メール(@会社ドメイン)とウェブサイトドメイン

メールアドレスを自社ドメインで統一することで、クライアント対応時の信頼性が向上します。

内訳

  • ドメイン費用:年間1,000円程度(月額換算)
  • Google Workspace starter plan:月額300円(複数ユーザー分)

ムームードメインのGoogle workspaceと一緒に契約したら安くなるキャンペーンで登録しましたが、今思えばそうしなければよかった、、、

Nina

ムームードメイン経由でGoogleのメールを契約すると年間契約になります。
StarterプランだとGoogleドライブの容量が30GBなので動画系の仕事をしていると1年でいっぱいになりました。契約をGoogle直にしようと思ったけどちょっとやり方模索中、、

04. 変動費の詳細

月々の支出が変わる項目について、詳しく説明します。

Slack(業務委託パートナー数による変動)

利用パターン

  • 3~9月:パートナー2~3人 → 無料プラン
  • 10月:パートナー3人 → 有料プラン開始(月額3,464円スタート)
  • 11~3月:パートナー3~10人 → 有料プラン(月額3,464円〜12,870円)

Slackは「ユーザーあたり月額〇〇円」という従量課金。業務委託パートナーが増えるに伴って、毎月のコストが増えていきました。

1人法人だからこそ、連携ツールの重要性が高く、Slackはチームコミュニケーションの中核になっています。

プロアカウントにしたきっかけは別の企業さんとのやり取りでSlack Connectという機能を使う必要がありプロプランに変更した経緯があります。

Slackを選んだ理由

  • SNS運用ツールとの連携が豊富
  • リモートチームのコミュニケーション効率が高い
  • 過去のメッセージ検索が楽
  • 業務委託パートナーとのやり取りが可視化できる

05. 大型支出(年間経費)

税理士・会計サポート費用

初年度は法人化に伴う各種手続き、決算対応、節税相談など、複数の税理士に相談しました。まず設立するにあたって今は調べれば自分でもできますが私は税理士さん司法書士さんにお金を払って設立しました。

30万円程度でした。

その後しばらく税理士さんに月額顧問料を払って見てもらってたんですが数ヶ月何も音沙汰なく金額だけ支払っている期間もあって、途中解約しました。

経理・バックオフィス業務の委託

経理に関して1年目は自分でも勉強する必要があると思っていました。そのため下記の基本的なことは自分で対応していました。

  • 見積書の作成
  • 請求書の作成
  • Freeeへの入力
  • 外注先への振り込み

ただ、「勘定項目はこれであっているのか」「決済に向けて何か抜け漏れがないか」が怖くなり知り合い経由で経理さんを紹介いただきアドバイスをいただくことにしました。

そのタイミングでアドバイスをいろいろいただき下記のことなど大変学ばせていただいています。

【保存版】法人1年目の請求書作成完全ガイド:源泉徴収税と消費税インボイス制度を実例で解説 はじめに:SNSマーケティング会社を立ち上げて9ヶ月の私が学んだこと 2025年4月に株式会社を設立して、9ヶ月が経ちました。 ...

06. コスト分析 & インサイト

月額固定費の内訳(パイチャート)


月額固定費の平均:約48,000~55,000円

年間月別の変動費推移

1~3月

  • 業務委託パートナー2~3人体制(固定費メイン)

4~6月

  • パートナー増加に伴い、Slack等の費用増加
  • 月額55,000~60,000円

7~12月

  • 複数パートナーとの本格的な協力体制へ移行
  • 月額60,000~65,000円

想定外だった費用

  1. Google Workspaceの費用が高い
    • ムームードメイン経由で契約したら年間契約だったので直接契約にしたらよかった、、
  2. Slack、Notionなどのツールは人数が増えるほど経費がかさむ
    • 月額の固定費が月々どんどん高くなっていくことをみに染みて感じてます、、

逆に節約できたこと

  1. オフィス費用
    • リモート運用のため、オフィス賃料はなし
  2. 初期投資
    • 在庫、設備投資がほぼ不要

07. よかったこと・反省点

コスト管理で成功したこと

1. 最初から数字を把握する習慣をつけた

初月から全ての支出をFreeeやスプレッドシートで記録。「何にいくら使っているか」を常に可視化することで、無駄な支出に気付きやすくなりました。

2. 固定費を厳選した

「月額〇円のツールを導入してみよう」という安易な判断をせず、基本的には無料プランを3ヶ月使ってみて、本当に必要か判断するというルールを作りました。

3. リモート体制で大幅なコスト削減

オフィス賃料(東京なら月20~50万円)をゼロにできたのは、何より大きい。

08. まとめ & 次のステップ

1年目の総括

「1人で始める、でも1人では終わらない」 これが、1年を通じて感じた率直な感想です。

法人としては1人ですが、複数の業務委託パートナーと協力することで、複数クライアントのデジタルマーケティングを担当できました。

月額50,000円程度の固定費 + 業務委託パートナーへの支払いで、赤にはならないビジネスモデルを構築できました。これは、スキルベースのビジネスだからこそ実現できた形だと思います。

起業家へのアドバイス

1. 最初から完璧を目指さない

「すべてのツールを整えてから起業しよう」という思考は、起業の大敵です。最小限のツール(PC、通信環境、簡単な会計ソフト)でスタートして、必要に応じて追加していく。

2. 最初から業務委託を活用する

「1人でやってから、人を入れよう」という考え方より、「最初から業務委託パートナーと一緒に仕事をする」という思考が大事。ただし、プロセスの標準化は先に。

3. 数字を見る癖をつける

「感覚で経営する」のではなく、常にデータを見る。固定費、変動費、パートナーあたりのコスト・・・これらを常に把握することが、事業を成長させます。

2年目に向けた改善予定

  • 業務委託パートナー体制の最適化
    • 現在のパートナーの育成強化と、さらに信頼できるパートナーの確保
  • ツール最適化
    • 不要なツールをさらに削減し、固定費を月40,000円以下に
  • 業務委託システムの標準化
    • マニュアルやテンプレートをさらに充実させ、パートナーへの依存度を下げる

最後に

「起業って、実際いくらかかるんですか?」という質問に対して、私の答えは常に「ビジネスモデルによって全く違う」です。

でも、この記事を通じて、1人法人で業務委託パートナーと一緒に仕事をするデジタルマーケティング企業の現実的な数字をお見せすることで、これから起業を考えている方の参考になれば嬉しいです。

特に「スキルはあるけど、1人じゃ手が回らない」という方には、業務委託パートナーとの協力モデルは本当におすすめ。法人は1人でも、ビジネスはスケール可能です。

頑張りましょう〜〜