起業する手続き

【保存版】法人1年目の請求書作成完全ガイド:源泉徴収税と消費税インボイス制度を実例で解説

Contents
  1. はじめに:SNSマーケティング会社を立ち上げて9ヶ月の私が学んだこと
  2. 1. 起業9ヶ月目の私の会社について
  3. 2. なぜ税理士を解約したのか
    1. 2-1. 金銭的な理由
    2. 2-2. 自分で理解したかった
    3. 2-3. 売上1,000万円未満なら自分でできる
    4. 2-4. ただし、わからないことは調べる
  4. 3. 【受け取る側】フリーランスから請求書をもらったときの話
    1. 3-1. 源泉徴収の基本を独学で学ぶ
    2. 3-3. 誰から請求書をもらったら源泉徴収が必要?
    3. 3-4. 実際に受け取った請求書パターン5つ
    4. 3-5. 「受領時チェックシート」
    5. 3-6. 源泉徴収税の納付
  5. 4. 【発行する側】クライアントに請求書を出すときの話
    1. 4-1. インボイス登録
    2. 4-2. インボイス登録後の請求書
    3. 4-5. 請求書作成で工夫したこと
    4. 4-6. 請求書発行のタイミング
  6. 5. 実際に失敗したこと・困ったこと
    1. 失敗1:法人相手なのに源泉徴収しようとした
    2. 困ったこと1:消費税の記載がバラバラ
    3. 困ったこと2:インボイス対応を求められたタイミング
    4. 困ったこと3:源泉徴収税の納付を忘れそうになった
  7. 6. 私が使っているツールと管理方法
    1. 6-1. 会計ソフト:freee
    2. 6-2. 請求書管理の方法
    3. 6-3. 源泉徴収の管理(Googleスプレッドシート)
    4. 6-4. リマインダー設定(Googleカレンダー)
  8. 7. 税理士なしで半年やってみた感想
    1. 7-1. できたこと
    2. 7-2. やってよかったこと
    3. 7-4. 今後について
  9. 8. これから起業する人へのアドバイス
    1. 8-1. 最初から税理士は不要(売上1,000万円未満なら)
    2. 8-2. 会計ソフトは絶対に導入すべき
    3. 8-3. フリーランスとの取引は最初に確認
    4. 8-4. インボイス登録は早めに検討
    5. 8-5. 請求書のテンプレートは早めに作る
    6. 8-6. 源泉徴収税の納期の特例は申請すべき
  10. 9. ケーススタディ:実際の1ヶ月の流れ
    1. 【8月5日】案件受注
    2. 【8月10日】外注発注 - インフルエンサーへ
    3. 【8月15日】外注発注 - デザイナーへ
    4. 【8月20日】請求書受領 - インフルエンサーGさんから
    5. 【8月25日】請求書受領 - デザイナーHさんから
    6. 【8月31日】請求書発行 - クライアント3社へ
    7. 【9月10日】源泉徴収税の納付
    8. 【9月30日】入金確認
  11. 10. まとめ:9ヶ月で学んだこと

はじめに:SNSマーケティング会社を立ち上げて9ヶ月の私が学んだこと

2025年4月に株式会社Gate43を設立して、9ヶ月が経ちました。

起業をすることを決めてから「何をして稼ぐか」をずっと考えてきました。その中で起業した途端から税務署から送られてくるたくさんの漢字だらけの書類。。正直何が何だか意味がわかりません。

起業した時に勧められた税理士さんの顧問契約を起業してから10月まで続けていた他のですが、正直知識がなさすぎて

  • 何がわからないかわからないから質問ができない
  • 何か書類作成を依頼する場合は別料金
  • Freee入力等説明されても違う言語を話されているみたいで理解ができない

この理由で結局何もしてもらわないまま毎月20,000円x6ヶ月支払って解約しました。

なんて無駄なお金、、

その後知り合いづてで紹介してもらった経理の方に入ってもらってもろもろ抜け漏れが発生していることに気づき普通にヤバい状況に焦り始めて決算を前に今一度勉強しなおそうと今に至ります。

起業するときって学校と違って誰も何をしないといけないかを教えてくれないし
合ってるかどうかも教えてくれないので自分で情報をとりにいくことが必要なようです。

この記事を作りながら自分でも学びつつ今後どこかの誰かの役に立てればいいなと思います。

この記事で書くこと

  • 私がクライアントに請求書を出すときのこと(請求書を発行する側)
  • フリーランスから請求書をもらったときのこと(請求書を受け取る側)
  • 消費税あり・なし両方の請求書への対応
  • 実際に失敗した例と、その対処法
  • 税理士なしで半年やってみた感想

1. 起業9ヶ月目の私の会社について

まず、私の会社の状況を整理しておきます。

会社概要

  • 社名:株式会社ソーシャルブースト
  • 設立:2025年4月
  • 資本金:300万円
  • 代表取締役:私一人(従業員なし)
  • 事業内容:SNSマーケティング支援

主なサービス

  • Instagramの運用
  • 縦型動画のコンテンツ制作

よく取引する相手

  • クライアント:もともと正社員で働いていた会社、メーカーさん、フリーランスの発信者さんが中心(BtoB)
  • 外注先:動画編集者、カメラマン、SNSディレクター、経理さん

売上の推移

  • 4月〜6月:月-10〜30万円(立ち上げ期)
  • 7月〜9月:月50〜70万円(フリーランスの仕事を法人契約に移行期)
  • 10月〜12月:月70〜100万円(クライアント増加)
  • 累計売上:約700万円(税抜)

消費税とインボイスの状況

  • 消費税:免税事業者(設立1年目で売上1,000万円未満)
  • インボイス:2025年7月に登録(起業3ヶ月目に決断)

税理士について 現状税理士契約はしておらずFreee自分で経理処理をしています。会計ソフト(freee)の月額費用5,808円だけで何とかやっています。
*一人法人プラン、経理さんを招待して二人分のツール費用を支払ってます。

2. なぜ税理士を解約したのか

2-1. 金銭的な理由

税理士の顧問料相場

  • 月額:2.5万円〜5万円
  • 決算時:10万円〜20万円
  • 年間合計:46万円〜80万円

起業直後の私にとって、月2.5万円は大きな出費でした。
受け身の税理士さんを契約したところで何をやってもらえればいいかわからないので金額に見合った価値を感じられませんでした。

2-2. 自分で理解したかった

もう一つの理由は、「経理の仕組みを自分で理解したかった」こと。

税理士に丸投げすると:

  • 何をどう処理しているのかわからない
  • 経営数字が読めるようにならない
  • 税務の知識が身につかない

自分でやることで:

  • お金の流れが見える
  • どこにコストがかかっているかわかる
  • 税金の仕組みが理解できる
  • 将来、人を雇ったときに説明できる

実際、自分で請求書を作り、源泉徴収税を計算し、会計ソフトに入力することで、経営数字への理解が深まりました。

2-3. 売上1,000万円未満なら自分でできる

同じ時期に起業した女性も毎月の税理士顧問契約はしておらず経理さんに任せているという話だったので、決算以外は自分でしてしまおうと思いました

自分でできる範囲

  • 請求書の発行
  • 経費の記帳
  • 源泉徴収税の計算・納付
  • 年末調整(従業員がいる場合)→?これはまだやってないのでわからず
  • 法人税の申告(会計ソフトで書類作成可能)→?これはまだやってないのでわからず

税理士が必要になるタイミング

  • 従業員を雇って給与計算が複雑になったとき
  • 複雑な取引(海外取引、大規模な設備投資など)が発生したとき

私の場合、今のところこれらに該当しないので、自分で処理しています。

2-4. ただし、わからないことは調べる

税理士をつけない代わりに、自分で調べる時間は必要です。

私が活用している情報源

  • ChatGPT
  • 検索して出てきたもの
  • 契約している経理さん

私の場合登記場所が大阪、自分が住んでいる場所が東京なので税務署に行く機会がなく教えてくれる人がいません。おそらくお近くに税務署がある場合は教えてくれるのかな?と思ったり

3. 【受け取る側】フリーランスから請求書をもらったときの話

3-1. 源泉徴収の基本を独学で学ぶ

フリーランスで仕事をしていた頃、取引先の会社から請求書に関しては源泉徴収を引いてほしいとリクエストがありました。私は特に理解もせずFreeeの請求書作成の機能を使って源泉徴収を引いた請求書を発行しました。

ここからややこしくなるので備忘録的に残しておきます。

源泉徴収とは? → フリーランスなどの個人に報酬を払うとき、会社が税金を先に差し引いて、代わりに国に納める仕組み

なぜ会社がやるの? → 個人事業主が確定申告をしないリスクを減らすため。会社に徴収と納付の義務がある

いくら引くの? → 報酬額の10.21%(所得税10% + 復興特別所得税0.21%)

引いたお金はどうする? → 翌月10日までに税務署に納付する

例えば
報酬額:100,000円
源泉徴収税額:100,000円 × 10.21% = 10,210円
クリエイターAさんへの振込額:100,000円 - 10,210円 = 89,790円


そして、10,210円は翌月10日までに税務署へ納付

私の初回の失敗 源泉徴収税を毎月払わないといけないのを知らずそのまま放置していました。今は毎月経理さんに計算してもらってこの間郵便局に支払いに行きました。

今のところ指摘はありませんが、遅延したらペナルティがある可能性があるみたいです。

3-3. 誰から請求書をもらったら源泉徴収が必要?

これも最初は混乱しました。国税庁のサイトで調べた判断基準はこうです。

源泉徴収が必要な相手

  • 個人事業主・フリーランス

源泉徴収が必要な報酬の種類

  • 原稿料、デザイン料、イラスト料
  • 動画編集料、撮影料
  • インフルエンサーへの投稿料・PR料
  • コンサルティング報酬
  • 講演料
  • 翻訳料、ナレーション料

要するに、個人のクリエイターやインフルエンサーに「作品」や「サービス」の対価を払う場合は、ほぼ源泉徴収が必要ということ。

源泉徴収が不要な相手

  • 株式会社、合同会社などの法人

デザイン会社や動画制作会社など、相手が法人の場合は源泉徴収不要。これは助かりました。

源泉徴収が不要な支払い

  • 物品の購入(カメラ、PC、備品など)
  • 広告費(Meta広告、Google広告など)
  • 家賃、光熱費
  • サービス利用料(Canva、ChatGPTなど)

3-4. 実際に受け取った請求書パターン5つ

9ヶ月で色々なパターンの請求書があるので例えばのパターンを紹介。

パターン1:消費税の記載なし(シンプル型)

個人事業主Bさんからの請求書。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       請求書

株式会社ソーシャルブースト 御中

2025年5月分
Instagram投稿制作費  ¥50,000
源泉徴収税額:50,000円 × 10.21% = 5,105円
振込額:50,000円 - 5,105円 = 44,895円

お振込先
○○銀行 △△支店
普通 7654321
ヤマダハナコ

山田花子
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

私の処理
消費税の記載がない場合、その金額そのままで源泉徴収税を計算します。

→相手がインボイス登録をしていない場合消費税なしで請求書が送られてくる場合があります。

パターン2:消費税込みの金額を提示(明細あり)

フリーランスのデザイナーCさんからの請求書。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       請求書

株式会社ソーシャルブースト 御中

Instagram広告用デザイン制作

デザイン制作費    ¥100,000
消費税(10%)     ¥10,000
──────────────
合計             ¥110,000

源泉徴収税額:100,000円 × 10.21% = 10,210円
消費税:10,000円(そのまま支払う)
振込額:110,000円 - 10,210円 = 99,790円

※源泉徴収の対象となります

振込先:○○銀行××支店
普通 9876543
タナカイチロウ

田中一郎
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ここがポイント:源泉徴収税は税抜の金額で計算する

パターン3:消費税相当額を含めた総額のみ(免税事業者)

フリーランスの動画編集者Dさんからの請求書。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       請求書

株式会社ソーシャルブースト 御中

動画編集業務(3本)
¥165,000-(税込相当額)

※当方は適格請求書発行事業者ではございません
※源泉徴収の対象となります

振込先:○○銀行××支店
普通 1111222
サトウケンジ

佐藤健二
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この「税込相当額」という表現、最初は意味がわかりませんでした。

調べてわかったこと:

  • Dさんは免税事業者(インボイス未登録)
  • 消費税を納税する義務はない
  • でも、価格に消費税相当額を上乗せすることは可能
  • だから「税込相当額」と書いている

私の処理

この場合、165,000円を「税込」として逆算するか、そのまま165,000円を報酬額とするか迷いました。

国税庁のサイトで調べた結果: 「請求書に消費税が明記されていて、税抜と税込が分かれていれば税抜で計算。でも、総額しか書いていない場合は、その金額を報酬額として源泉徴収を計算する」

報酬額:165,000円
源泉徴収税額:165,000円 × 10.21% = 16,846円(小数点以下切り捨て)
振込額:165,000円 - 16,846円 = 148,154円

パターン4:消費税なし、でも金額が高め(消費税込み相当で設定)

フリーランスのカメラマンEさんからの請求書。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       請求書

株式会社ソーシャルブースト 御中

商品撮影業務(1日)
¥55,000

振込先:○○銀行××支店
普通 3334444
タカハシマコト

高橋誠
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

最初の打ち合わせで「5万円+消費税」と話していたのに、請求書には55,000円とだけ書いてある。

Eさんに確認したら「消費税込みで55,000円です。免税事業者なので消費税は別に書いていません」とのこと。

私の処理

報酬額:55,000円
源泉徴収税額:55,000円 × 10.21% = 5,615円(小数点以下切り捨て)
振込額:55,000円 - 5,615円 = 49,385円

パターン5:消費税なし(本当に税抜のみ)

フリーランスのライターFさんからの請求書。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       請求書

株式会社ソーシャルブースト 御中

SNS投稿原稿作成(10本)
¥30,000

※消費税は含まれておりません

振込先:○○銀行××支店
普通 5556666
ワタナベアイ

渡辺愛
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この場合は、本当に税抜30,000円ということ。

私の処理

報酬額:30,000円
源泉徴収税額:30,000円 × 10.21% = 3,063円
振込額:30,000円 - 3,063円 = 26,937円

3-5. 「受領時チェックシート」

請求書を受け取るたびに迷わないように、自分用のチェックシートを作りました。

□ 相手は個人か法人か?
  → 法人なら源泉徴収不要
  → 個人なら次へ

□ 報酬の種類は?
  → デザイン、動画編集、投稿料など → 源泉徴収必要
  → 物品購入、広告費など → 源泉徴収不要

□ 消費税の記載はあるか?
  → 明記あり(税抜○○円+消費税○○円) → 税抜金額で源泉徴収税を計算
  → 明記なし or 総額のみ → 総額で源泉徴収税を計算

□ 計算式
  【消費税明記ありの場合】
  源泉徴収税額 = 報酬額(税抜) × 10.21%
  振込額 = (報酬額 + 消費税) - 源泉徴収税額
  
  【消費税明記なしの場合】
  源泉徴収税額 = 請求額 × 10.21%
  振込額 = 請求額 - 源泉徴収税額

□ 振込先は確認済みか?

□ 支払期限は?

□ freeeに入力済みか?

3-6. 源泉徴収税の納付

仮に初月(2025年5月)に支払った源泉徴収税をまとめて、6月10日に納付した場合こちらになります。

5月分の支払い実績

5/10  山田花子(ディレクター)  報酬50,000円   源泉徴収5,105円
5/15  田中一郎(デザイナー)        報酬100,000円  源泉徴収10,210円
5/25  佐藤健二(動画編集者)        報酬165,000円  源泉徴収16,846円
────────────────────────────────────
合計                                報酬315,000円  源泉徴収32,161円

この32,161円を、6月10日までに税務署に納付する必要があります。

納付方法
初めは税務署に行ってみるのもいいかも。
eTaxでもできるらしいので近々やってみます。

手順:

  1. e-Taxにログイン(マイナンバーカード必要)
  2. 「源泉所得税及び復興特別所得税の納付」を選択
  3. 納付額を入力(32,161円)
  4. ネットバンキングで支払い

初めてで1時間くらいかかりましたが、2回目以降は20分程度で済むようになりました。

納期の特例 ネットで調べて知ったのですが、「納期の特例」という制度があります。

  • 従業員が常時10人未満なら申請可能
  • 年2回(7月・1月)の納付でOK
  • 毎月納付する手間が省ける

私も申請書を出して、承認されました。これで次回からは半年に1回の納付で済みます。

申請書は国税庁のサイトからダウンロードして、郵送で提出しました。無料です。

4. 【発行する側】クライアントに請求書を出すときの話

次は、クライアントに請求書を発行する側の話です。

4-1. インボイス登録

2025年6月、クライアントから連絡が来ました。

XYZ社:「インボイス対応していただけますか?」

悩んだポイント

  • インボイス登録すると消費税の納税義務が発生する
  • 売上1,000万円未満でも納税が必要になる
  • でも、今後どのみちクライアントから要請される
  • 早めに登録しておいた方が、後々楽になるかも
  • 2029年頃にBtoB取引の場合実質インボイス登録が必要になる

色々調べた結果、結局いつかは登録することになるなら、早めに登録しておく方がいいと判断しました。

理由:

  1. 大手企業はインボイス対応を取引条件にしている
    • 今後、取引先が増えるにつれて、インボイス対応は避けられない
  2. クライアントに迷惑をかけたくない
    • インボイス未登録だと、クライアントが消費税の控除を受けられない
    • 取引先との信頼関係を考えると、登録しておく方が安心
  3. 消費税納税は経費として計上できる
    • 納税した消費税は、翌年の経費として一部計上できる
    • 会計上も管理しやすい
  4. freeeがインボイス対応している
    • 会計ソフトで自動対応してくれるので、手間はそれほど増えない

実際の納税額の試算

年間売上予想:約800万円(税抜)
消費税納税額:約80万円

確かに大きな出費ですが、これを織り込んだ価格設定にすればいいと考えました。

登録の決断 起業したタイミングでまとめてインボイス登録をしました。(取引先から求められることがわかってたので)

4-2. インボイス登録後の請求書

2025年8月31日に発行した請求書。

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            適格請求書
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請求書番号: 2025-0008
発行日: 2025年8月31日

株式会社@@@製作所
営業部 佐藤様

株式会社@@@
登録番号: T1234567890123
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-2-3 ○○ビル5F
TEL: 03-1234-5678
代表取締役 @@@

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【ご請求金額】
¥550,000-(税込)

【お支払期限】
2025年9月30日

【お振込先】
○○銀行 渋谷支店
普通 1234567
カ)@@@

※振込手数料は貴社にてご負担くださいますようお願いいたします

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【ご請求明細】

項目                                  金額       税率
────────────────────────────────
SNS戦略コンサルティング(8月分)      ¥100,000    10%
Instagram制作費(8月分)        ¥200,000    10%
────────────────────────────────
小計                                 ¥300,000
消費税(10%対象)                    ¥30,000
────────────────────────────────
合計                                 ¥330,000



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

※本請求書は適格請求書(インボイス)です。

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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変更点

  • タイトルが「適格請求書」に
  • 登録番号(T1234567890123)を追加*13桁
  • 税率(10%)を明記
  • 最後の注記を変更

4-5. 請求書作成で工夫したこと

実際に請求書を何枚も発行する中で、自分なりに工夫したことをまとめます。

請求書番号のルール

2025-0001
2025-0002
2025-0003(連番で管理)

年が変わってもリセットせず、連番で管理しています。将来的に「2025-ABC-01」みたいにクライアント別にするかもしれません。

ファイル名のルール

請求書_ABC商事_2025-0001_20250531.pdf
請求書_XYZ製作所_2025-0008_20250831.pdf

こうすると、フォルダで探しやすいです。

サービス内容は具体的に 最初は「SNSマーケティング支援」とだけ書いていましたが、ネットの記事で「何をしたか具体的に書いた方がいい」と知りました。

  • クリエイティブ何本作ったか
  • ミーティング何回したか
  • レポートを何回出したか

これを書くと、クライアントも「ちゃんと仕事してくれてるな」と安心してくれます。

振込手数料の明記 「振込手数料は貴社負担で」と必ず書くようにしています。これを書かないと、手数料を引かれて振り込まれることがあるので。

4-6. 請求書発行のタイミング

私の場合、月末締めで翌月末払いにしているので:

毎月25日〜月末

  • 当月分のサービス提供が終わったことを確認
  • 請求書を作成(freeeで作成)
  • PDFで保存
  • メールで送付
  • freeeに記録(自動で記録される)

翌月末

  • 入金確認
  • freeeで消込処理

最初は月末ギリギリに請求書を作っていましたが、今は25日くらいには作るようにしています。余裕を持って確認できるので。

5. 実際に失敗したこと・困ったこと

9ヶ月でいくつか失敗や困ったことがありました。備忘録として書いておきます。

失敗1:法人相手なのに源泉徴収しようとした

何があったか 動画制作を「@@」に依頼。個人事業主だと思い込んで、源泉徴収税を計算してしまった。

どう気づいた 請求書に「合同会社」と書いてあることに後で気づいた。

対処法 まだ振込前だったので、全額を振り込んで事なきを得ました。

学び 請求書をもらったら、必ず「個人」か「法人」かを確認する。

困ったこと1:消費税の記載がバラバラ

フリーランスの方々から来る請求書、消費税の書き方がバラバラでした。

  • 消費税明記なし:50,000円のみ
  • 消費税明記あり:本体50,000円+消費税5,000円
  • 税込相当額:55,000円(税込相当額)

対処策 最初の発注時に、「請求書には消費税を明記してもらえますか?できれば税抜○○円、消費税○○円と分けて書いてください」とお願いするようにしました。

困ったこと2:インボイス対応を求められたタイミング

起業2ヶ月目で大手クライアントから「インボイス対応してください」と言われた。

問題点

  • インボイス登録には申請から1ヶ月かかる
  • すぐには対応できない

対処法 正直に「申請中なので、登録完了まで1ヶ月お待ちください」と伝えました。幸い、クライアントは理解してくれました。

学び インボイス登録は、結局いつかは必要になる。早めに申請しておいて損はない。

困ったこと3:源泉徴収税の納付を忘れそうになった

初月の源泉徴収税、翌月10日までに納付しないといけないことを、起業して半年後に知りました

対処法

  • 納付書を経理さんに記載いただき郵便局で納付

今後は「納期の特例」を申請したので、年2回の納付で済むようになりました。

6. 私が使っているツールと管理方法

請求書周りの業務を効率化するために使っているツールを紹介します。すべて無料または低コストです。

6-1. 会計ソフト:freee

設立時から「freee会計」を使っています。

使っている機能

  • 請求書作成・発行
  • 源泉徴収税の自動計算
  • インボイス対応
  • 入金管理
  • 経費記帳
  • 人事労務で自分の給料計算

良いところ

  • 銀行口座と連携して入金を自動確認
  • 収益レポートが出るので嬉しくなる
  • インボイス登録後、登録番号を自動挿入
  • 請求書のテンプレートが豊富

イマイチなところ

  • 最初は使い方に慣れるまで時間がかかった
  • たまに動作が重い

税理士をつけない私にとって、freeeは必須
請求書作成から帳簿記帳、源泉徴収税の管理までできるので、絶対に元が取れています。

6-2. 請求書管理の方法

私はフリーランスのクリエイターにGoogleフォームで一つの場所に格納してもらってます。その後月毎にファイルを割り振る感じ。

フォルダ構成

Googleドライブ/
└ 経理/
  ├ 請求書_発行/
  │ ├ 2025年/
  │ │ ├ 05月/
  │ │ │ └ 請求書_ABC商事_2025-0001_20250531.pdf
  │ │ ├ 06月/
  │ │ ├ 07月/
  │ │ └ 08月/
  │
  └ 請求書_受領/
    └ 2025年/
      ├ 05月/
      │ ├ 請求書_山田花子_20250510.pdf
      │ └ 請求書_田中一郎_20250515.pdf
      ├ 06月/
      ├ 07月/
      └ 08月/

管理のルール

  • 発行した請求書はfreeeに完結
  • 月ごとにフォルダ分け
  • ファイル名に日付を入れる
  • Googleドライブなので、どこからでもアクセス可能

6-3. 源泉徴収の管理(Googleスプレッドシート)

freeeにも源泉徴収簿の機能はありますが、私は別途経理さんがGoogleスプレッドシートで管理してくれています。

【源泉徴収管理シート】

支払日      相手先         報酬額(税抜) 源泉徴収税額  振込額     納付日
2025/5/10  山田花子        50,000        5,105       44,895    2025/6/10
2025/5/15  田中一郎       100,000       10,210       99,790*   2025/6/10
2025/5/25  佐藤健二       165,000       16,846      148,154    2025/6/10
─────────────────────────────────────────
5月合計                    315,000       32,161               2025/6/10

*消費税込みの場合、振込額は源泉徴収後+消費税

このシートがあると、納付額の確認がすぐできて便利です。

6-4. リマインダー設定(Googleカレンダー)

Googleカレンダーに以下のリマインダーを設定しています。すべて無料。

毎月

  • 25日:請求書作成開始
  • 月末:請求書発行・送付

半年ごと(納期の特例申請後)

  • 7月5日:1月〜6月分の源泉徴収税納付準備
  • 7月10日:納付期限
  • 1月15日:7月〜12月分の源泉徴収税納付準備
  • 1月20日:納付期限

年1回

  • 1月20日:支払調書の作成・提出準備

7. 税理士なしで半年やってみた感想

起業から9ヶ月、税理士なしで自分で経理処理をやってきました。率直な感想を書きます。

7-1. できたこと

自分でできた業務

  • 請求書の発行(freeeで簡単)
  • 請求書の受領と源泉徴収税の計算
  • 源泉徴収税の納付
  • 銀行口座の管理
  • インボイス登録の申請

かかった時間

  • 請求書発行:月1時間程度(クライアント3社)
  • 経費記帳:週30分程度
  • 源泉徴収税の計算・納付:月1時間程度
  • 合計:月5〜6時間

月5〜6時間の作業で、月3万円の税理士費用が浮くなら、十分だと思います。

7-2. やってよかったこと

経営数字への理解が深まった 自分で請求書を作り、経費を記帳することで、お金の流れが見えるようになりました。

  • どのクライアントが利益率が高いか
  • どこにコストがかかっているか
  • 月ごとの売上の変動

これらが感覚的にわかるようになったのは、大きな収穫です。

税金の仕組みがわかった 源泉徴収税、消費税、法人税の仕組みが、実践を通じて理解できました。これは今後、会社が大きくなったときにも役立つ知識です。

コストを抑えられた

  • 税理士費用:月3万円 × 9ヶ月 = 27万円
  • freee費用:月2,680円 × 9ヶ月 = 24,120円
  • 差額:約25万円の節約

この25万円を、広告費や外注費に回せたのは大きかったです。

7-4. 今後について

いつ税理士をつけるか 私の場合、以下のタイミングで税理士をつけることを考えています。決算は別途税理士さんに依頼予定。

  1. 売上が1,000万円を超えて、消費税の申告が複雑になったとき
    • 消費税の申告は、免税事業者より複雑
    • 自分でやるとミスのリスクが高い
  2. 従業員を雇って、給与計算が発生したとき
    • 給与計算、社会保険、年末調整は複雑
    • 自分でやるのは厳しいかも
  3. 本業が忙しくなって、経理に時間を割けなくなったとき
    • 月5〜6時間が負担になったら、税理士に依頼

当面は自分でやる 売上が月100万円程度の今の段階では、まだ自分で処理できる範囲です。もう少し自分でやってみて、経験を積みたいと思います。

8. これから起業する人へのアドバイス

9ヶ月の経験を踏まえて、これから起業する人にアドバイスするなら:

8-1. 最初から税理士は不要(売上1,000万円未満なら)

理由

  • 売上1,000万円未満なら、消費税の申告が不要で処理がシンプル
  • 会計ソフト(freee、マネーフォワード)で十分対応可能
  • 月3万円の固定費は、起業直後にはキツい
  • 自分で経理をやることで、経営数字への理解が深まる

ただし、自分で勉強する必要はある

8-2. 会計ソフトは絶対に導入すべき

Excelで管理しようとすると、絶対に混乱します。freeeやマネーフォワードなど、月額3,000円程度の投資で大幅に効率化できます。

おすすめ理由

  • 請求書作成が簡単
  • 源泉徴収税を自動計算
  • インボイス対応
  • 銀行口座と連携
  • 確定申告書類の自動作成

月2,680円で、これだけの機能が使えるなら、絶対に元が取れます。

8-3. フリーランスとの取引は最初に確認

フリーランスに仕事を依頼するときは、最初に:

  • 「請求書には消費税を明記してください。税抜○○円、消費税○○円と分けて書いてください」
  • 「源泉徴収が必要なので、振込は報酬額から源泉徴収税を引いた金額になります」

これを伝えておくと、後でトラブルになりません。

8-4. インボイス登録は早めに検討

私の結論:結局いつかは登録することになるので、早めに登録しておく方がいい

理由:

  1. 大手企業はインボイス対応を取引条件にしている
  2. 登録しないと、取引機会を失う可能性がある
  3. 後で登録するより、最初から登録しておく方が管理が楽
  4. freeeなどの会計ソフトが自動対応してくれるので、手間は少ない

ただし、消費税納税は発生する

  • 年間売上800万円なら、約80万円の消費税納税
  • これを織り込んだ価格設定が必要

8-5. 請求書のテンプレートは早めに作る

請求書のフォーマットは、最初にしっかり作っておくと後が楽です。

  • 会社情報
  • ロゴ(あれば)
  • 振込先
  • 注記事項(振込手数料、インボイスの有無など)

これらを1回作ってしまえば、あとは金額とサービス内容を変えるだけ。freeeなら、テンプレート機能があるので簡単です。

8-6. 源泉徴収税の納期の特例は申請すべき

従業員が10人未満なら、「納期の特例」を申請しましょう。

  • 毎月納付 → 年2回納付に
  • 手間が大幅に削減
  • 申請書を出すだけ(無料)

私は最初知らなくて、3ヶ月間毎月納付していました。もっと早く知りたかった…

9. ケーススタディ:実際の1ヶ月の流れ

実際の業務フローを、2025年8月の1ヶ月で見てみましょう。

【8月5日】案件受注

新規クライアント(株式会社DEF)から、SNSコンサルティングの依頼。

契約内容

  • サービス:SNS戦略コンサルティング
  • 期間:8月〜10月(3ヶ月)
  • 月額:20万円(税抜)
  • 支払条件:月末締め、翌月末払い

【8月10日】外注発注 – インフルエンサーへ

広告用のコンテンツ制作のため、フリーランスのインフルエンサーGさんに投稿を依頼。

発注内容

  • 内容:Instagram投稿(写真撮影+投稿5本)
  • 報酬:15万円(税抜)

【8月15日】外注発注 – デザイナーへ

広告クリエイティブ制作のため、フリーランスのデザイナーHさんに依頼。

発注内容

  • 内容:Instagram広告用画像デザイン 15点
  • 報酬:25万円(税抜)

【8月20日】請求書受領 – インフルエンサーGさんから

Gさんから請求書が届きました。

受領した請求書

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       請求書

株式会社ソーシャルブースト 御中

Instagram投稿制作費  ¥150,000

※源泉徴収の対象となります

振込先:○○銀行××支店
普通 7777888
ナカムラサキ

中村咲
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

消費税の記載がありません。

私の処理

報酬額:150,000円
源泉徴収税額:150,000円 × 10.21% = 15,315円
実際の支払額:150,000円 - 15,315円 = 134,685円

Gさんには134,685円を振り込み、源泉徴収税15,315円は翌月10日までに税務署に納付します。

【8月25日】請求書受領 – デザイナーHさんから

Hさんから請求書が届きました。

受領した請求書

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       請求書

株式会社ソーシャルブースト 御中

Instagram広告デザイン制作

デザイン制作費    ¥250,000
消費税(10%)     ¥25,000
──────────────
合計             ¥275,000

※源泉徴収の対象となります

振込先:○○銀行××支店
普通 9999000
コバヤシタクヤ

小林拓也
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

私の処理

報酬額(税抜):250,000円
源泉徴収税額:250,000円 × 10.21% = 25,525円
消費税:25,000円(そのまま)
実際の支払額:275,000円 - 25,525円 = 249,475円

Hさんには249,475円を振り込みます。

【8月31日】請求書発行 – クライアント3社へ

3社のクライアントに、8月分の請求書を発行します。

ABC商事:30万円(税抜) XYZ製作所:50万円(税抜) DEF社:20万円(税抜)

freeeで請求書を作成し、PDFでメール送付。

【9月10日】源泉徴収税の納付

8月中に支払った源泉徴収税の合計を税務署に納付します。

納付する金額

Gさん分:15,315円
Hさん分:25,525円
────────────
合計:40,840円

この40,840円を、e-Taxで納付。(納期の特例申請済みなので、実際には1月と7月の年2回納付)

【9月30日】入金確認

3社から合計110万円(税込)が振り込まれました。

この1ヶ月の収支まとめ

【収入】
ABC商事:330,000円
XYZ製作所:550,000円
DEF社:220,000円
────────────
合計:1,100,000円(税込)

【支出】
Gさん:134,685円
Hさん:249,475円
源泉徴収税納付:40,840円(※納期の特例で実際は半年後)
────────────
合計:424,840円

【粗利】
1,100,000円 - 424,840円 = 675,160円

10. まとめ:9ヶ月で学んだこと

SNSマーケティング会社を起業して9ヶ月。請求書周りで学んだことをまとめます。

受け取る側(フリーランスへの支払い)

  • 個人への報酬は源泉徴収が必要
  • 源泉徴収税は報酬額(税抜)の10.21%
  • 消費税と源泉徴収は別物
  • 消費税なしの請求書は、総額で源泉徴収税を計算
  • 翌月10日までに納付(納期の特例で年2回にできる)

発行する側(クライアントへの請求)

  • 免税事業者でも消費税相当額を請求できる
  • インボイス登録は結局いつかは必要。早めの登録がおすすめ
  • サービス内容は具体的に書く
  • 請求書は7年間保存

税理士について

  • 売上1,000万円未満なら、税理士なしでも十分やれる
  • 会計ソフト(freee)で自分で処理可能
  • 月3万円の税理士費用を節約できる
  • 自分で経理をやることで、経営数字への理解が深まる
  • ただし、自分で勉強する時間は必要

使っているツール(低コスト)

  • freee会計
  • Googleドライブ(無料)
  • Googleスプレッドシート(無料)
  • Googleカレンダー(無料)
  • YouTube、国税庁サイト(無料)

失敗から学んだこと

  • 源泉徴収税は消費税抜きで計算
  • 法人相手は源泉徴収不要
  • インボイス登録は早めに
  • 納付期限は厳守
  • e-Taxは最初の設定が大変

まだまだ勉強中ですが、この9ヶ月でかなり理解が深まりました。この記事が、これから起業する人の参考になれば嬉しいです。

請求書処理は慣れれば難しくありません。最初は大変ですが、ルーティン化してしまえば、月に5〜6時間で済むようになります。税理士に月3万円払うより、自分で勉強して理解した方が、長期的には絶対に力になります。

本業のSNSマーケティングに集中するためにも、経理業務は早めにシステム化し、でも最初の1年は自分でやって理解を深めることをお勧めします!