韓国料理というと、辛いものというイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実は多彩な味わいと栄養バランスに優れた食文化が広がっています。「薬食同源」の考え方が根付いた韓国料理は、健康に良く美容効果も期待できると言われています。初めて韓国料理に挑戦する方でも楽しめる定番メニューと、実際の注文方法をご紹介します。
初心者におすすめの定番韓国料理
1. ビビンバ（비빔밥）
ご飯の上に色とりどりの野菜のナムル（和え物）、肉、卵などをトッピングし、コチュジャン（唐辛子味噌）を加えて混ぜて食べる料理です。「ビビン」は「混ぜる」、「バ（パプ）」は「ご飯」を意味します。栄養バランスが良く、見た目も美しい一品です。
熱々の石鍋で提供される「石焼ビビンバ」は、器の底がカリカリのおこげになるのも魅力の一つ。スプーンでよく混ぜて食べるのが韓国式の食べ方です。辛さが苦手な方は、コチュジャンを少なめにしても十分美味しく楽しめます。
2. サムギョプサル（삼겹살）
韓国で人気の焼肉メニュー。「サム」は「3」、「ギョプ」は「層」、「サル」は「肉」を意味し、日本でいう豚バラ肉を指します。テーブルに設置された鉄板で焼き、サンチュ（レタス）で包んで食べるのが一般的です。
焼き上がった肉をサンチュに包み、にんにくや焼きキムチ、味噌などお好みの薬味を一緒に巻いて食べます。韓国では最近、ご飯も一緒に巻いて食べるスタイルが定着しつつあります。
3. チゲ（찌개）
「チゲ」とは鍋料理の総称で、様々な具材を煮込んだ熱々のスープ料理です。代表的なものとして、キムチチゲ（キムチ鍋）やスンドゥブチゲ（柔らかい豆腐の鍋）などがあります。
特にキムチチゲは、キムチの酸味と辛さが絶妙に調和し、豆腐や肉、野菜などの具材と一緒に煮込まれた栄養満点の一品です。寒い日に食べると体が芯から温まります。辛さが気になる方は、事前に「マップゲ ハジュセヨ（辛くなくしてください）」と伝えておくと良いでしょう。
4. チャプチェ（잡채）
春雨、野菜、牛肉などを醤油ベースの甘辛いタレで炒めた料理です。春雨は韓国では「タンミョン」と呼ばれ、日本の春雨よりもコシがあり食感が楽しめます。
甘辛い味付けながらも辛さはほとんどなく、日本人の口にも合いやすい料理の一つです。お祝いの席や特別な日に振る舞われることも多い、韓国を代表する料理の一つです。
5. プルコギ（불고기）
薄切りの牛肉を甘辛いタレに漬け込み、野菜と一緒に焼いた料理です。「プル」は「火」、「コギ」は「肉」を意味します。
甘めの味付けで辛さはほとんどなく、初めて韓国料理を食べる方や辛いものが苦手な方でも安心して楽しめます。ご飯との相性も抜群で、日本人にも馴染みやすい一品です。
韓国料理店での注文方法
基本的な注文フレーズ
韓国料理店で役立つ基本的な韓国語フレーズをいくつか覚えておくと、現地での食事がさらに楽しくなります。
- 入店時の挨拶
- 「アニョハセヨ（안녕하세요）」：こんにちは
- 人数を伝える
- 「ハンミョン（한명）」：1人
- 「トゥミョン（두명）」：2人
- 「セミョン（세명）」：3人
- 注文するとき
- 「イゴ ジュセヨ（이거 주세요）」：これをください
- 「○○ ジュセヨ」：○○をください
- 「チュチョン メニュガ ムォエヨ?（추천 메뉴가 뭐예요?）」：おすすめは何ですか？
- 辛さについて
- 「マップナヨ?（맵나요?）」：辛いですか？
- 「マップゲ ハジュセヨ（맵게 하지 마세요）」：辛くしないでください
- 会計のとき
- 「ケサン ハジュセヨ（계산 해주세요）」：会計をお願いします
韓国料理を食べる際のマナー
- 箸とスプーンの使い方 韓国料理では、スプーン（スッカラク）をメインに使用し、箸（チョッカラク）はおかずをつまむときに使います。スープや汁物のある料理の場合、器は持ち上げずテーブルに置いたままスプーンで食べるのが一般的です。
- 共有の食べ方 韓国では多くの料理が「シェアスタイル」で提供されます。テーブルの中央に置かれた料理を皆で取り分けて食べるのが普通です。自分の取り分は自分の小皿やお椀に取り、直接大皿から食べることは避けましょう。
- 混ぜる文化 ビビンバをはじめ、韓国料理は「混ぜる」ことで味が調和するものが多いです。スープの中にご飯を入れて食べる「猫まんま」風の食べ方も韓国では一般的です。
- お酒の席のマナー 目上の人がいる場合、その方の席は上座（奥）に案内し、先にお酒を注ぎます。お酒を注ぐときは、右手で注ぎ左手は右肘の下に添えるのが丁寧な作法です。目上の人の前では横を向き、口元を隠して飲むのが韓国式です。
まとめ
韓国料理は辛いものだけでなく、甘辛い味付けやあっさりした味わいのものまで幅広くあります。初めての方でも楽しめる定番メニューから少しずつ試してみて、その奥深い食文化を体験してみてください。
基本的な注文フレーズを覚えておくと、現地での食事がより充実したものになるでしょう。言葉が通じなくても身振り手振りや指さしで伝わることも多いので、臆せず挑戦してみてください。
韓国料理の魅力は、多彩な味わいと見た目の美しさ、そして何より「分かち合う」文化にあります。家族や友人と一緒に、熱々の料理を囲んで楽しむ時間は、きっと素敵な思い出になるでしょう。
